墨付けと呼ばれる作業

まず刻むべき材料が工場に並べられました。
いよいよ待ちに待った手刻みが始まります。

思い描いていた使い方がここでどう出るか!!
職人の経験と勘、判断が正しかったのかが証明される緊張の瞬間です。

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人が作り出すものは
人の手によって作る事に意味があると考えています

手刻みの始まりは墨付けと呼ばれる作業を行います。
現代ではフルオートメーションの機械が発達し、プレカットという機械が精密な加工精度によって木材を刻むことができ、墨付け作業も不必要なものかとも思われますが、自然樹形の根曲のものや丸太、ましてや古材ともなると人の手によってのみ加工することができます。

ましてや、木の一本一本を職人が見て感じてその木の特徴を生かしながら進める手刻みという作業にはそれなりの意味があると考えています。

何よりも毎日木に触れることができ、木と語り合いながら『この木なら柱だ、梁だ。良いと思ったけど今回この木はやめよう』と判断し作業のできる手刻みは職人として最もやりがいのある仕事なのです。

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見極めて適材適所で使うことで責任を持って提供できるのです

現代では規格化された寸法の材料や人工的に乾燥を行い狂わない材料を使うことができ仕事の難しさを無くし、ある程度の簡単な技術で家が建てられます。何せ施主様の懐にも優しいことから人気の建て方となっていますね。プレカットで機械加工をすることが出来る時代になっていますが樹杜屋は逆行してなぜ古式な手刻みにこだわるのか?

そこには、職人としての甘えが許されない世界があるからです。
一本一本違う木の使い方を間違えれば建物の強度に関わり、刻みを間違えれば建物が建たない。そんな緊張感を持って仕事をすることで人としても成長し職人としての勘も衰えることなくものを作り続けられると考えているからです。

 

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工作線を描く、墨付けという作業

どこをどう作るのか?
その為に職人にのみ分かる印を素材となる材料に記してゆきます。

写真にある、墨つぼと呼ばれるもので直線の印を描き、墨差しと呼ばれる竹で作られた万年筆のようなもので上記画像のような工作線を描きます。

 

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墨がつけられていれば、墨を見た大工職人はこのような加工を施すことが出来るのです。一本一本の素材とにらめっこしながらこの木は狂うから少し小さくとか、少し捻らせてとか大工棟梁が癖を判断しながら実寸とは微妙に違う墨をかけることで結果組み上げると実寸通りになるというとても経験と勘がものをいう作業なのです。

墨付け8年、読み一生とはよく言ったものですね。

 

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