映画『君の名は』のモデル(聖地)になった村人の独り言
2016年9月23日
樹杜屋あらべぇ
8月26日公開の映画『君の名は。』
公開前より噂話で飛騨市がモデルになっとるんやって!?
ポスターのあの場所ってあこなんじゃねーんか!!
主人公の女の子は飛騨弁なんやとよ〜〜!!
そしゃそやぞ!!!!
などの噂に心動かされ、いてもたってもいられず公開初日に見てきました。
モデルになった飛騨の地とは
ただ単にモデルになった!!というだけで無条件に嬉しくなって友人・知り合いなどに自慢していたのですが・・・なぜ飛騨の地を採用したのか?どのように表現されているのか?
その理由を探るべく、ちょっこしストーリーに集中できなかったのですが楽しみつつ、描かれた風景などを個人の直感で見て感じ、様々なメッセージを知った。と勝手に解釈してみました。
写真は作品中に出てくるとあるバス停(宮川町)
いまだ残る原風景が飛騨市にはある
主人公、三葉の住む架空の町糸守町の風景が飛騨をベースにとても美しく作られているということが後々わかることとなったのですが、作中に実際に存在する同じ風景が出てくるのは数シーンでなおかつ一瞬でした。
単純に・・・たったこれだけか!?残念すぎる!?と、思いもしましたが自分の想像を絶する期待がゆえにまるで他人事のように、もっと飛騨の綺麗な風景を使え的な無責任にも失礼な考えを持ってしまいました。チーン・・・
さて冷静になったところで、飛騨という地は。
自分の住む宮川町エリア(旧宮川村)は面積の97%が森林(自然)です。
いうなれば、未開拓の自然97%が残る日本でも数少ない原風景の残る地域となります。
先ほどの作中に特定の風景をあまり使わなかった事など自分なりに考えると・・・未だ残る飛騨の原風景や自然の美しさなどなど、ひっくるめて知って・見て・感じて欲しい!!
あえて特定の場所を採用しなかった事などから聖地にしない事で飛騨の美しい自然を不特定にまるっと聖地にしてしまおうという、新海誠監督の強い思いが込められているのではないか?という個人的解釈をいたしました。
美しい風景の残る飛騨市を教えてくれた事
久しぶりの投稿が古民家の話でもなく、手刻みの話でもなく、大工道具の話でもなく(笑)
地元愛の偏りがすぎる映画の考察みたいになってしまいましたが『君の名は。』を見た事で自分自身も地元の素晴らしさを再認識する事となりました。
実際に作中に登場する実際の場所
『飛騨市図書館』
『飛騨古川駅橋』
『飛騨古川駅前タクシー乗り場』
『角川駅近くのバス停』
などには連日多くの聖地巡礼者が訪れる事となり、飛騨市はとても賑わいを見せているようです。また、通常の観光とは異なり聖地巡礼者が訪れる場所や撮影する場所にとある変化があるという事に気づきました。
聖地であるから飛騨市に来た!!というのは間違いではないのですがその行動を観察してみると、何気ない日常風景だったり、ナンテコトナイ山だったり、田んぼだったり、自然などなど•••トンビだったり(これは僕の妄想です)
目玉となる通常の観光地には足を向けずに、ありのままの飛騨市を楽しんでる♪
普段、普通にあるものだからこそ気づかなかった美しさや価値、聖地巡礼者の方々にここにいるだけじゃ気づけない!!美しい自然の残る飛騨市という大切な事を気づかせてもらいました。
田舎に舞うトンビはなぜか優雅に伸び伸びとしているように見えますね
守るべき風景、伝えたい文化があるからこそ
さて、少しは仕事のお話をいたします。自分は生まれたこの町の自然や文化が好きで、この地で大工という仕事を始めました。大工という仕事は『家』という人が生活する母屋をつくるだけの仕事です。ただつくるだけなのですが、自然を守ってもいるのです。さて、どういう事だ??
かつて家づくりは身近な自然から取れる木材・土・草などの自然素材のみでつくる事が可能で建物の役目が終われば解体して何事もなかったかのように大地に還る。ただそれだけなのですが、それだけで自然を壊す事なく、自然に負荷をかける事もなく、昔の人は昔からそんな家づくりをし生活を続けてきましたが現代では様々な要因が重なってとても難しい話となっているのです。
でも、飛騨だからできる。遅くはない!!可能だ。
こんなに綺麗な自然がここにはある、と思う気持ちがあるからこそ。。。
来春より新たな取り組みを開始いたします。
飛騨市 宮川町エリアとある天空の村にて
古民家改修の工事現場を一般開放し
田舎の家つくりを知ってもらうだけではなく
家つくりに参加してもらい
木を扱う事から土壁など古くからの技術を身につけられる
学べる環境を提供したいと考えております。
かつて、村人が助け合い家つくりを行ってきたからこそ。
白川郷のような村が今でも存在しているのだと思います。
『結』という精神のように自分たちの手でできる事を増やして、自分たちで行う事で多大な費用と期間を軽減でき、古民家をまもっていけるのではないか!!
飛騨という地だからこそ、そんな家つくり・町つくり・人つくりが可能だと確信しました。
↓写真は昨年、郡上は石徹白にて建て方当日に全国より駆けつけてくれた仲間達
かつての結のワンシーンを垣間見れた、そんなきがしました。