【裏山資源フル活用計画レポート】春の集落林道整備2023

樹杜屋は裏山に林道を作っています。おもいは裏山のフル活用。林内作業に有用な作業路が、それがさらに高い密度で作ってあれば、必要な種類の木を必要なときに選び取って収穫できる。仕事でも楽しみでも、フィールドへ出るのに要する時間も気持ちの面も、道がついて山がとても近くになりました。

今回の記事では、集落の既存の林道を補修した話をレポートしています。

目次

基幹林道の長寿命化を図る

今回の補修作業を行ったのは、集落の既存林道。道幅がしっかりとってある、集落から山の奥の高いところまで続く基幹林道です。収穫した丸太をふもとまで降ろしてくる大事な道です。大事な道なので、できる限り壊れることなく長い年月使えることが肝心です。安全な走行ができることも大切です。ですので、毎年春は林道整備の傍らで少しずつ補修を行っています。雨水や浸潤水を排水する仕組みを整えたり、路肩から得た砕石でぬかるみを処理したり、基幹林道の長寿命化を図っています。

春の季節仕事として

樹杜屋のフィールド、岐阜県最北端の飛騨市宮川町北部は大変降雪の多い地域です。冬が終わると落石や倒木、土砂の流出(主に春の雪崩につられて発生するもの)などがあるので整備は春の恒例行事です。今年は落石もほぼ無く、倒木も邪魔にならない程度で、春の季節仕事は軽微。昨年の6月の大雨で発生したものの放置していた落石と土砂の処理をしました。一昨年から3tユンボを所有したので、桑野(当社の森林フィールドがある集落)の森林作業はこの重機に活躍してもらっています。今年はさらにユンボを回送せずに山へ移動できるルートを確保したので、割と気楽に移動させられるようになりました。ただし重機は足が遅いので、移動には1時間以上かかります。

水の豊富な山

桑野の山は、水が豊富な山です。“くぐみ原(わら)”と愛称されるほど太いくぐみ(クサソテツ・山菜)が山を覆うほどに生え、水を好む木、人工林の針葉樹なら杉、広葉樹だと例えば栃やクルミがよく育ちます。

水が豊富…といえば聞こえは良いのですが、山全体から水が噴いたり湧いたりする、重機で少し掘れば地下水の層を掘りぬいてしまうようなフィールドです。地面から水がにじみ出るので土を乾かす事が難しい、大型の重機を用いた大規模な土木工事での林道づくりに向かない山だと感じています。今年の補修では、過去の施業で地下水の層を出してしまったらしい場所の補修も行いました。

水の流れが道を壊す

桑野の森林作業道幹線は縦断の勾配が20%以上のところが多く、そのような急勾配の道は雨水が流れる速度が上がり、道の掘れる原因になります。そのような現象は洗堀(せんくつ)といい、林道走行の安全性を損なうばかりか、長期的に林道崩壊の原因にもなります。さらに悪いことに、数年前森林間伐等の事業で施業を委託した業者が林道の水切りを全て埋め、施業後復旧しなかった為洗堀の影響がはなはだしく、車が通れないほどになっていました。

先述のとおり桑野は湧水も多い山で、そうとううまく水と付き合わないと道はすぐにぬかるみ、掘れてしまいます。昨年の春の修繕で水切りの復旧を含め大規模な補修をして、洗堀もぬかるみも大幅に改善されました。去年の作業で作った各所水切りは、周辺から適切な土が出なかったので、やむを得ず固まるのに時間がかかる土で仕上げました。いったんのところ溝際を高めに盛ってあったのですが、一年たち安定したので今年ギリギリまで高さを下げてみました。車両走行の安全性も高まり、山に入りやすくなってなによりです。


樹杜屋は山に道をつけています。山についた道を起点に、素材生産(木材)、燃料生産(薪)、家づくり、薪ストーブ、薪ボイラー販売などを行っています。

ショールームのご案内

完全予約制

樹杜屋ストーブにはPANADERO社の薪ストーブ実機を見学、実際の燃焼を体験できるショールームがあります。
間取り図や内装、外観などがわかる写真があれば具体的な相談にもお答えします。

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