薪ストーブの煙突は屋根出ししたほうがよいのか

煙突経路の問題は、薪ストーブ導入を考えるときに大きく頭を悩ます問題です。すでにある建物に後付けで薪ストーブを設置しようとする場合はなおさらです。

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薪ストーブ煙突に求めること

あらためて薪ストーブの煙突について簡単に説明をします。薪ストーブの本体性能を最大限に発揮するためには、適正な煙突の設計施工をする必要があります。本体の性能を発揮させる煙突の設計について大切なことは2点あります。第一に適正なドラフト≒排気量=給気量を確保できる設計か。第二に煤が溜まりにくく、溜まった煤の掃除がしやすい設計か。本体性能発揮以外に配慮すべきことは言わずもがな安全性に関わる防火工事と排煙ガス漏れ防止。そして室内空間と美観への配慮です。

煙突設計はドラフトの確保≒煙突高さの確保が肝心

煙突の長さは、ストーブ天板から煙突トップまでの垂直距離をあらわします。煙突設置の目的は、排煙をすること、そして給気を確保することです。煙突が高ければ高いほど、吸い上げる力ドラフトが強くなりストーブ炉内への給気がスムーズになります。煙突長が足りなければ酸素の供給が足りなくて燃えが悪くなりますし、煙が逆流しやすくなります。長すぎると酸素が供給されすぎて薪の燃費が悪くなります。設置場所の都合などで横引きするなど水平距離が長くなるとドラフトが弱くなります。水平距離の3倍量垂直距離を増やせ、と言われるほどなので水平距離はできるだけ短いほうがよいと思います。また横引きで煙突部品を何本もつなぐような計画は重力や地震動などによる煙突変形が心配されます。排煙や一酸化炭素漏れの懸念があり全くお勧めしません。

屋根から煙突を出すと

煙突設計計画で一番わかりやすく間違いがないのは直上の屋根を抜いて出すことです。屋根は雨水処理と防水防火工事、天井及び二階があれば二階床に適切な防火工事をして煙突を通します。直上の屋根抜きが優れている点で大きな2点は、ドラフトがわかりやすく確保できる点と、屋根上を足場にして煙突トップと煙突の掃除点検ができる点です。外壁に面した場所でないと設置しづらい壁出し施工と違って、設置場所の自由度が上がるのも魅力的です。

欠点は二階の空間を煙突が通過することです。吹き抜けや納戸などで生活動線にさわりのない空間を利用した煙突経路なら問題ないのですが、居室の一角ならば煙突が通ることを許容しなければなりません。樹杜屋では特に安全性の面で断熱二重煙突を使用することを奨励しているので「煙突からの放熱で暖かい」ということはありません。

薪ストーブ施工は建物の内と外を貫通させる大掛かりな工事です。大掛かりなのは煙突を壁から抜いても屋根から抜いても共通ですが、比較すると屋根の工事のほうが大規模です。計画するときは、導入する本体や煙突の品質のみならず、施工する業者の選定にも気を遣う必要があると考えています。

専門家に相談を

薪ストーブの設置場所、煙突の経路に迷ったら専門の施工業者に相談することをおすすめします。図面から、あるいは現地家屋調査、そしてヒアリングによって、煙突や本体設置場所についていくつかの候補を挙げてくれることと思います。煙突屋根出しにしても壁出しにしても長所短所両方があります。一軒一軒家の形や生活の仕方が違うように、煙突設計もいくつもの型からピッタリはまるものがあるはずです。ぜひお近くの施工業者へ話を聞きに行ってはいかがでしょう。


樹杜屋ストーブは東海地域、北陸地域、長野県、東京都に施工実績があります。

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樹杜屋ストーブにはPANADERO社の薪ストーブ実機を見学、実際の燃焼を体験できるショールームがあります。
間取り図や内装、外観などがわかる写真があれば具体的な相談にもお答えします。

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