飛騨は宮川の杉は質が悪くて使えないという噂を考えてみた

いつからか知りませんが自分が小僧だった頃、おおよそ20年前には宮川の杉はそう言う評判になっていました。その頃は訳も分からずそれを鵜呑みにしてあぁそうなんだと残念な気持ちで一杯でしたが、使えないなら自分で遊ぶ為に伐って自分のために使おうとその頃から立ち木や原木に触れる機会が増えてきました。(今回の記事は代表荒木昌平によるものです。)

実際に宮川の杉の木の質が悪いと評価されていた理由として分かってきた事が『黒芯』である事。年輪が荒い事。(実際伐ってみると現行の立ち木は割と目が細かいです。これは半分自分の妄想ですが、前回昭和中期に収穫された50年伐期の杉が薪炭林皆伐後の植林で成長が良かった為、その後の植林された杉も成長が良く荒いだろうとイメージされたからだと思ってます。)この二つは木材の質に関係する事です。

そして豪雪地帯宮川ならではの雪の影響で、二股や先折れ、根曲がりや木の蛇行など不良が多く立ち木一本あたりの材積が少ない事。この点は一本あたりの利益に関係する事です。

杉と檜はどうしてもが檜が上位と評価されがちだったことから単純に杉というだけで評価が低かった事が人との会話で感じ取れました。「宮川の杉が質が悪くて使えない」という噂はこれらの情報で皆が思い込んでしまったのではないかと思いました。

山に入り木を伐って遊んでみると、あれ?これ?使えるんじゃないと経験値が増えてきました。←ここに到達するまで10年くらい立ち木で遊んでいました(笑)黒芯は水にも虫にも強く見た目もカッコ良い色なのでできれば黒芯の方が好んで使いたいです。重いですが・・・笑

根曲りや幹のウネウネ(スネークウッド)も化粧の梁や柱に江戸時代初期ー中期くらいの貧乏古民家っぽいノリで使うと、案外オシャレになってびっくりします。これは施工してみてわかりました。

悪い木ばかりを集めたんじゃないかと思うような写真ですが、実際うちの山はこんな木が多く市場にだせるものはないんですが、大工が判断するとほとんど使える意味のある木、価値のある木で木を扱う側の人間の引き出しの少なさが木材の価値を下げているんじゃないかと感じています。

最近ではまっすぐ育つはずの性質を持った杉がまっすぐ育たないことが楽しくなって愛着が湧いてきました。宮川の木は大工が使えば使える木ばかりです!!

ショールームのご案内

完全予約制

樹杜屋ストーブにはPANADERO社の薪ストーブ実機を見学、実際の燃焼を体験できるショールームがあります。
間取り図や内装、外観などがわかる写真があれば具体的な相談にもお答えします。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次