「薪ストーブではよく乾燥させた広葉樹の薪を使え」これは今まで言われてきた一般的な注意。一方で樹杜屋ストーブは植林された杉やヒノキの未利用木を薪として活用できるPANADERO(パナデロ)社の薪ストーブを取り扱っています。樹杜屋ストーブショールームのISLA(イスラ)実機見学・燃焼体験へは、その燃やしてはいけないはずの針葉樹が本当に良質な薪になるのか?というその実際を確かめることができます。
では本当に薪ストーブで燃やしてはいけないものは何なのか。針葉樹を薪にするISLAとはいえ、なんでも燃やしていいわけではありません。一般的な薪ストーブと同じように、絶対NGなものがいくつかあります。以下に薪ストーブNGなものを挙げていきます。
乾燥が不十分な薪
乾燥が不十分、水分を多く含む薪は不完全燃焼の原因になります。不完全燃焼は煤やタール発生の一因です。ガラスの曇り、本体や煙突の腐食、煙突詰まり、煙突からの煤飛びの原因の多くは乾燥が不十分な薪によるものです。何より不完全燃焼では薪ストーブ本来の暖かさを得ることができません。
薪ストーブ本来の性能を十分に引き出し、メンテナンスの手間を減らし、本体と煙突の寿命を延ばすためには十分に乾燥した薪を利用することが絶対です。用意した薪が十分に乾いているかどうかは、少量を試しに燃やすなどして確かめるが手ごろな方法です。
石油由来の素材
石油由来の素材を薪ストーブで燃やすと、ストーブ本体や煙突の耐熱温度を超える燃焼をしたり、想定外の燃焼ガスによる健康被害や悪臭が発生することがあります。なによりも大気汚染の原因になります。薪ストーブユーザーの責任として気にするべきところです。
プラスチック・ビニール
家庭ごみを薪ストーブに入れる方は稀だと思いますが、焚火感覚で手元のくずごみを入れているのには遭遇したことがあります。注意が必要です。
合板・ベニヤ板・集成材
木材と木材を貼り合わせて製造している木製品は、石油由来の接着剤を使用しています。一見して木なので薪になりそうに見えますが、危険なのでやめてください。
化学物質の付着が疑われるもの
高温で揮発するものの使用が疑われる場合は、薪にはお勧めできません。健康被害や思わぬ高温燃焼の可能性があります。
ISLAは針葉樹を薪にする設計のストーブなので、廃材の薪利用を考えるかたからの問い合わせも多いです。たしかに杉や松などは薪に適していますが、廃材薪の場合も塗装・塗布のない、無垢の状態のものをしっかりと選別して利用するようお伝えしています。
塗装された廃材
塗料が付いたものは薪にしないでください。処分する家具やエクステリアなどの木部を薪にしてもよいだろうか、という相談を受けることもありますが、やめたほうが良いとお答えしています。
防腐加工された廃材
防腐剤が塗布されたもの、注入されたものも塗装されたものと同様です。防腐剤は塗装よりも見た目でわかりにくいので注意が必要です。
番外:絶対に燃やしてはいけない樹
ご存じの方も多いかもしれませんが、毒性のある樹木「夾竹桃(キョウチクトウ)」は絶対に燃やしてはいけない樹です。庭木や街路樹になっていることが多いので身近な樹木ではありますが、煙にも毒が混じり、健康被害に直結します。絶対に燃やしてはいけません。