樹杜屋で事務などをしている荒木(ち)です。樹杜屋がおすすめしているPANADERO社の薪ストーブ4種のうち、とくに人気のISLAとISLAmini。旧ショールームの様式を引き継ぎ、臨時ショールームでも2機種並べて見学できるようになりました。
ご来場の方などからISLAを一回りサイズを小さくしたのがISLAminiでしょう?という問いかけを多くいただきます。四角の硬派なデザインがそっくりな2機種ですが、単純に大小の違いと言い切れないところがあります。そこで旧ショールームで2機種を2シーズンで400日使い倒したひとりのユーザーとしてそれぞれの機種の得意なところ、比べると見える不得意さを箇条書きしました。機種選びの手助けになればうれしいです。
ISLA
なんといってもバランスの良い機種。燃える火を見るのが楽しい大きなガラスは煤が付きにくい。焚き付けは着火後放置していても大きい火になる。燃焼室が広いので、熾火の隣で料理をする趣味を見つけました。何度もピザを焼きました。アイスボックスクッキーは一度に50枚以上焼けます。パンも焼きました。総鉄製のふた付き鍋で塊肉も焼きました。
広い燃焼室には60cmまでの薪が入ります。15cm角以上の太さのものでもきれいに燃え尽きます。大きい薪を数本入れた時の逆巻く炎はISLAのいちばんの魅力だと思っています。
反面、大きな燃焼室はデメリットも生みます。小さな燃焼室ならば小さな薪を効率的に熱に変えますが、大きな燃焼室を持つISLAが効率的に熱を生産し続けるには大きな薪がある程度必要です。薪が大きいので幅の広い薪棚である程度広い面積が必要です。大きな薪は重たいので、薪を積むときも、くべるときも体力がいります。
ISLAmini
ISLAを基準にして燃焼室を含む全体を小さくした機種。miniとはいえ、一般的な薪ストーブと同サイズ。市販の薪のサイズ=30cmで9cm角程度のものを薪にします。
趣味になる設計をされたようなISLAを、暖房として合理的に整えたのがISLAminiと思っています。サイズは小さいですが、ISLAと同等の体積の部屋を暖められます。コンパクトな燃焼室は、燃費がいい。薪を追加してから熱量が上がるレスポンスが早いのはISLAmini。天板でお湯が沸くまでの時間もminiのほうが早いです。
miniには煙突が背面から出るモデルもあって、ものすごく大きなお鍋も乗せることができます。
ISLAと比べると、少し手間のいるストーブです。ISLAの楽な焚き付け、曇らないガラスを見てしまうとminiは少し劣ります。(それでも実家の他社薪ストーブと比べればとても使いやすい。)燃焼室内での調理は、スペースがコンパクトなので木炭を併用するなどすこし工夫が必要になります。とくにデメリットらしいデメリットがないISLAmini、薪ストーブを暖房器具として求めるならminiをお勧めします。
薪ストーブ、ISLAかISLAminiか
薪ストーブの機種選びをするときは部屋の間取りや広さを考慮すると同時に、薪ストーブに何を求めているのか、薪ストーブを使うと生活がどうなるのかを想像してみてください。
針葉樹薪を合理的に使える暖房器具としての薪ストーブを求めているならば、ISLAminiをおすすめします。広い薪小屋を作ることができ薪を自家生産するような方や、とにかく楽しい何かを求めるならばISLAをおすすめします。
ISLAか、ISLAminiか。樹杜屋ストーブには実機、燃焼を体験するショールームがございます。ご希望を聞いて、おすすめの機種をご案内、間取り図や内装、外観などがわかる写真があれば簡単な見積もりもします。