薪ストーブ向きの間取り、不向きな間取り、どこに置けば使いやすい?

樹杜屋ストーブショールームでは間取り相談会が突発的に始まることがしばしばあります。うちの間取りは薪ストーブに不向きではないだろうか…いっそこの壁を壊したらよいのでは?なんて不安をこぼされたときも。構想中の新築家屋でも、現在お住いのお宅でも、いちばん薪ストーブがすてきに見えて、最もその暖かさを享受できて、そして生活の動線が生きる場所、間取りのヒントをお伝えします。はたして薪ストーブ向きの間取りとはいかなるものでしょうか。

目次

導入予定の薪ストーブの特性を知る

まずは導入予定の薪ストーブの特徴を把握することが大切です。据え付け位置を決めるとき特に大切なのは3点。①放熱の方向と②薪投入口の開き方、扉の吊元の位置と③薪の搬入動線と室内ストック場所です。もう少し踏み込んでいくと煙突設計のために屋根との兼ね合いも考えなければいけないのですが、ここではフロアのことに特化して考えていきましょう。

放熱の方向

薪ストーブには機種によってそれぞれ放熱の方向があります。大きく分けて2種類。全周囲に放熱するものと、前方の放熱に特化したものです。樹杜屋のおすすめしているPANADERO社のストーブは前方の放熱に特化したものです。薪ストーブは放熱が強いので、放熱する方向には最低1mはデッドスペースにする余裕が必要です。樹杜屋では薪ストーブを設置するのは8畳間以上の部屋をおすすめしています。長細いお部屋の場合は、壁から壁までの距離が長い方向を正面に設置するよう提案しています。古民家や和風住宅のような壁が少なく、建具で間仕切りされた間取りなら、ひと部屋の広さはあまり問題にしていません。ISLA、ISLAminiは一般的な8畳間8つ分の空間を暖める能力があると言われています。

投入口の開き方

そして薪投入口の開き方。左開きなのか右開きなのかは大きな問題です。薪の投入など、作業はもっぱら開く方の斜め前方で行います。開く方に壁などがある場合は作業性が大きく損なわれるので、場所を変えるか、ストーブ本体の向きを少し斜めにします。

1日分の薪の量

最後に薪のことも考えられればベストです。薪は湿気とり、加温のため、できれば使用前は室内に入れておくのが良いと思います。薪は翌日使う分くらい、焚き付けの小割薪などは数日分が置いておける場所がほしいです。また薪は自然のもの、野天で割ったり乾燥させたりするので、どうしても樹皮や繊維、土ぼこりなどがこぼれてしまいます。搬入する出入口から薪ストーブ本体まではできるだけ近いのが望ましいですし、床の仕上げは掃除しやすいものをおすすめしています。樹杜屋では薪ストーブの土間設置をおすすめしています。

薪ストーブ設置場所のパターン

おまけです。いくつか、薪ストーブの設置場所のパターンを示します。薪ストーブ設置場所のご参考になればさいわいです。余談ですが既存の住宅に薪ストーブを設置する際、この場所に置くと映えるまたは使いやすそうだな…と思った場所にはだいたいテレビもしくはプロジェクターのスクリーンがあります。

①部屋の角

王道の設置場所です。ほぼすべての場合本体を斜めに向けて設置しますので作業性は十分です。動線に干渉しないのでオフシーズンも邪魔になりにくいかもしれません。薪の室内置き場に難儀することが多い、背面にデッドスペースができる、離隔距離がシビアなどのデメリットがあります。

②壁面前

作業性良し、本体横に薪置き場を確保しやすい利点があります。住宅設計時、室内のいちばん映える場所として計画されているので多くの場合テレビやピアノの設置場所と重複します。暖炉のように薪ストーブをインテリアの要としてみせたい方にはおすすめです。

③部屋の中央

部屋の広さが必要です。いなかの古民家のような間取りでは囲炉裏のように求心的な存在になります。寒い時期が長く、オフシーズンが短い地域ならば、多少動線の障害になっても気にならないかもしれません。全方位熱放射型のストーブの本領が発揮されます。

④建具前

熱放射前方特化型ならではの設置場所。薪ストーブの重厚さがやわらいですっきり見える。動線に差し支えがある場合が多い。

(写真はクリックで全体が表示されます。)


樹杜屋に大工部門もあることをご存じのお客様からは「部屋が狭い気がするので、この壁を抜いたらもっとストーブがすてきなのでは…!?」といったご相談もあったりしました。壁抜きリノベも現地調査次第でお引き受けすることもできますが、今のところは既存の間取りのまますてきに設置できる住宅ばかりでした。間取り図や外観写真などをお持ちいただいての薪ストーブのご相談では、常にいくつかの設置場所をご提案できるようにしています。

ショールームのご案内

完全予約制

樹杜屋ストーブにはPANADERO社の薪ストーブ実機を見学、実際の燃焼を体験できるショールームがあります。
間取り図や内装、外観などがわかる写真があれば具体的な相談にもお答えします。

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