地震が起きた時、燃える薪ストーブ最悪の事態を回避する方法

2024年元日とても大きな地震が日本列島を襲いました。樹杜屋のある飛騨市も震度5弱。木造の自宅は大きく揺れ、立っていられないほど、土間の薪ストーブはつい数分前に追加した薪が勢い良く燃えだしたところでした。飛騨では100年以上経験のない震度。最悪の事態が頭をよぎりましたが、見守ることしかできません。揺れは2分近く続いたようですが、物が落ちたり引き戸が動いたり…もっと長く感じました。揺れがおさまった後、熾火になるのを待ち点検しました。本体にも煙突にも異常がなかったので安心しました。

北陸、信越、飛騨など今回激しい揺れがあった地域は寒さの厳しい地域でもあり、薪ストーブのある家もたくさんあります。同じように最悪の事態を想像、覚悟した薪ストーブオーナーさんも多いのではないでしょうか。安全な施工、安全性の点検、様々な事態を想定し備えることは火を扱う器具を取り扱う施工店と使用者共通の義務だと思っています。

薪ストーブはアナログな暖房器具で、炎の大きさや放熱量を何かで制御できるわけではありません。給気で制御しようとされる方もいますが、給気はあくまでも酸素供給のバランスを整えるだけだと考えます。薪をくべるかくべないか。いつどんな薪をくべるのか。それだけ。そのシンプルさが魅力だと思っています。しかしその魅力は災害時は大きなデメリットになってしまいます。緊急に消火することができないのです。さまざまな場合を想定しました。家屋が倒壊するレベルの災害時にはどうしたらいいのか。それは社内でも話し合いましたがまだよい答えは出ていません。しかし家屋が倒壊しない程度の災害ならば、事前の備えで事故を回避できる確率を上げられます。

まず前提として、薪ストーブ本体と煙突はしっかりと結合されるもので、炎、煙、ガスなどは安全に屋外へ排出されるようになっています。適切に施工された薪ストーブと煙突の炎や熱はコントロール下にあり、平時の火災リスクは低いです。DIYなどで施工された煙突でまれに水平方向へ何本もつないだ煙突を見ますが、排煙性能も下がりますし、地震の揺れで外れるリスクも高まりおすすめできる仕様ではありません。煙突を壁や天井で頑丈に保持することも大切です。結合が大事、保持が大事というのは、万が一煙突が外れるようなことがあれば、火災のリスクだけでなく、一酸化炭素などのガスが漏れ中毒の危険があるからです。専門の知識を持った施工業者を選定するのが一番ですが、もしDIYで施工するとしても煙突はボイラー用などではなく、必ず薪ストーブ用のものを選んでください。素材も製法も違います。

家の中で火を扱うことに不安を覚える方にはそもそも薪ストーブはおすすめしていませんが、それでもなお木を使って熱を作る生活がしたいのだ、という方には薪ボイラーとパネルヒーターの組み合わせという選択肢があります。住居から離したボイラー棟を作り配管して住居内に暖かさを届けます。薪ストーブの放熱とはすこし雰囲気が違いますが、パネルの温度が常に40℃程度で安定しているので一日中暖かさが続き、やけどの心配も少なく室内に薪のにおいも無いので健康や安全が気になる小さなお子様、呼吸器官にリスクがある方にも安心していただけると思います。

最後に、強い揺れを感じた時、または家屋になんらかの衝撃があったとき。ご自身やご家族の安全確保が最優先ですが、身の回りに危険がないことを確認できたならば薪ストーブの安全点検を必ずしてください。先ほど書いたように、薪ストーブは本体と煙突がゆがみなく設置されていて初めて安全に使用できます。薪ストーブが燃焼中ならば、給気を最大にしてできるだけ速やかに鎮火させてください。本体や煙突が冷めたら、目視、軽くたたくなどしてゆがみや異音がないことを確認してください。異常がなければすぐ鎮火させられるような小さい火を焚いて、炎や煙の流れにおかしなところがないか確かめてください。

薪ストーブのような木材を熱エネルギー源にする器具は①エネルギー源の生産を他者に依存しない②エネルギー源の備蓄を他者に依存しない③インフラ網が壊滅しても使用が可能な暖房器具です。安全に配慮した施工、利用で生活の安心感を高められることを願います。

ショールームのご案内

完全予約制

樹杜屋ストーブにはPANADERO社の薪ストーブ実機を見学、実際の燃焼を体験できるショールームがあります。
間取り図や内装、外観などがわかる写真があれば具体的な相談にもお答えします。

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